バブルはどうしてはじけたの?~実際にあった5つのバブル~

過去に世界で投機のバブルは幾度も発生し、そのたびに弾けてきました。

資産運用の観点では投機バブルの発生はチャンス、その崩壊は危機といえます。本来は、投機バブルに左右されない運用の姿勢こそがお勧めなのですが、できればチャンスは利用、危機は回避したいものです。

有名な投機バブルには、このようなものがありました。

1. チューリップバブル (1637年 オランダ オランダ国旗
16世紀末のオランダにトルコからチューリップが持ち込まれ、富の象徴として王侯貴族の間に流行しました。
好景気下のオランダでは、買えば確実に儲かるとしてチューリップ球根の異常な高騰が起こりました。球根の転売で利益を得る者が続出したとか、希少な品種では球根1個が家1軒と交換された、などの話が伝えられています。
しかし1637年2月のある日、一人の男性が球根の転売先を見つけられなかったことをきっかけに取引は急速に落ち込み、価格がピークの1/100まで暴落しました。
2. 南海バブル (1720年 イギリス イギリス国旗
イギリス政府の財政再建のため、南米における奴隷貿易を独占する「南海会社(The South Sea Company)」が設立されました。株式会社のしくみの始まりの頃のことです。
当時の「東インド会社」の成功、(高収益の)奴隷貿易独占という期待、また富くじを活用した事業の成功などから、同社の株価は1720年1月の128ポンドが6月には1,050ポンドまで高騰しました。また、これに倣って多くの会社が乱立され、出資金を集める投機バブルが起こりました。
ただし株価の高騰を不安視した経営陣が、同年8月に株を手放したことをきっかけに南海会社株は暴落し、株価は12月には124ポンドまで下落しています。
3. 暗黒の木曜日 (1929年 アメリカ アメリカ国旗
第1次世界大戦後、経済の好調なアメリカでは投機ブームが発生しました。一般投資家も取り込んだ株価の高騰があり、1929年9月にはNYダウ工業株平均は381.17ドルに達しています。
投機ブームの背景には、過大な銀行ローンによるカネ余りの発生がありました。ただそれまでには農工業の生産力拡大を背景としたデフレ、不動産価格の低迷や工業指標が下向きになるなどの、マイナスの兆候も既にあったようです。
政府による金利の引き上げ、信用取引への融資禁止などの処置が行われたことから、1929年10月24日(木曜日)に株価の暴落が始まったうえ、直後の世界大恐慌の発生によって暴落が長く続くこととなり、1932年7月にはNYダウ工業株平均が41.22ドルまで、ピーク時からマイナス89%になりました。
4. 日本の不動産バブル (1990年 日本 日本国旗
1980年代半ばの日本は、国内市場の開放・内需拡大と円安の是正のために、金融緩和を進めたカネ余り状態でした。この資金が投資マネーとなって不動産市場に流入すると、不動産の値上がりが担保の値上がりとなって銀行融資の拡大、つまり一層のカネ余りを生み、それがさらに不動産価格を高騰させたのです。不動産以外の資産も高騰し、1989年末に日経平均株価は38,915円を記録しました。
この沈静化のため、1989年より日銀は公定歩合を5回にわたって引き上げ、大蔵省は翌年3月に「不動産融資の総量規制」を発動させました。
これらからカネ余りは解消されたのですが、それまでの価格高騰と逆の流れが発生し、1990年10月には日経平均株価が20,222円(1日終値)となるなど資産価格は下落し、日本は「失われた20年」に突入しました。
5. ITバブル (2000年 アメリカ他 アメリカ国旗
1990年代の終盤は日米欧の金融緩和で世界的にカネ余りの状態でしたが、一方でアジア通貨危機や大手ヘッジファンドの破たんなどがありました。そこへ折からのパソコンの普及とYahoo!、Amazonなどの企業の成長から、NASDAQ上場企業を中心に各国のITベンチャーへ投資マネーが集中したのがITバブルです(アメリカではdot-com bubbleと呼ばれます)。
この頃には、設立からまだ日の浅いIT企業が、何兆円もの莫大な株式時価総額を計上するような過熱もありましたが、2000年3月のFRBの利上げや、同時期のITベンチャーの赤字決算の見込みをきっかけに、これらの企業の株価は急落しました。
この間NASDAQ総合指数は、1996年12月末が1,291.03、2000年3月が5,048.62(10日終値)、株価下落後の2002年9月末が1,172.06と推移しています。
根拠なき熱狂

これらには、カネ余りの環境下にあったこと、他人の投資の成功例に我も我もと人々が群がったこと、そして「根拠なき熱狂」がしばらく続いたこと、の共通点があります。 (「根拠なき熱狂」とは、1996年にアメリカ・FRBのグリーンスパン議長(当時)による、投機バブルによる株高をとらえた有名な言葉です。その後、経済学者ロバート・シラー氏による同名の著書が発表され、こちらも有名です。)

そして投機バブルの弾けるきっかけは、いずれも不意に訪れています。それを正しく予測し行動するのは、無理なように思えます。ただ、暴騰や暴落の様子をどの指標で計れるのかは、比較的ハッキリしています。

資産運用のプロではない私たちにとっては、投機バブルの初期段階をとらえて、投資の成功例になることは難しいかもしれません。その代わり、投機バブルには次の2点の注意で、投資のチャンスを生かし、危機の被害を小さくできそうです。

  • 投機バブルを表す指標を知る
  • その指標を元に、投機バブルの弾けたことをとらえたら、すぐに撤収する

当たり前のような結論ですが、みなさまの資産運用のヒントになれば幸いです。

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